宝石の国

作者独特のタッチで描かれる「宝石の国」は、不思議な話です。最初は、戦争という悲劇を舞台に戦う異形の人たちの話なのかと思ってました。ですが、巻を重ねるにつれ、主人公はかつて仲間だった宝石を裏切り、敵側に行ってしまうのです。

今や戦争話ではなく、人間悲劇を描いています。そして、その主人公自身も宝石という特性から、どんどんその容姿を変え、最新刊では顔すら違います。普通の漫画を読んでいては感じることのない不思議な展開ばかりが繰り広げられるのです。

次に何が起こるのかもう予想すら出来ません。どこに向かうのか、どんな結末を迎えるのか。主人公すら分からず、読んでいる我々ももうわかりません。それでも宝石たちは懸命に生きており、一つの命として悩んだり泣いたり激怒したり許したり、と人間のような姿を見せているから、やはり不思議な話だと感じました。

また、ストーリーの伏線や設定も素晴らしく、最新刊を読んで謎の理由を知った上で、最初の巻を読むと新たな発見があったりと、作者の手腕も感じられます。PRサイト:人をダメにするちょいブ